大腸内視鏡検査とは?
大腸内視鏡検査は、肛門(お尻の穴)から、太さ11-13mm程度の細長く、軟らかい内視鏡(カメラ)を入れて、大腸全体(状況により小腸の一部まで)を観察する精密な検査方法です。
この検査によって、大腸がん、大腸ポリープ、大腸憩室症、炎症性腸疾患などの大腸、直腸の疾患を検索します。
大腸内視鏡検査がなぜ必要か
日本では大腸がんが増えています。特に部位別(胃癌、肺癌などの場所別)死亡率の統計では、女性で一番多い癌が大腸癌となっております。
また、男性でも増加傾向にあります。 大腸癌は自覚症状が出たときはかなり進行している場合が多いのです。
ですから、早期発見が最も重要なポイントになります。 また、癌疾患全体に言えることですが、加齢とともに、癌になる割合は増加します。
特に50歳以降は急激に増加する傾向があります。40歳を過ぎたら癌に対する警戒が必要です。
大腸内視鏡検査でわかる病気は?
大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患(クローン病)、潰瘍性大腸炎、大腸憩室症、虚血性腸炎 などなど多岐にわたります。
クローン病(炎症性腸疾患)
クローン病とは「炎症によって腸に潰瘍ができる」という病気です。 腸とは限らず、口から食道・胃・小腸・大腸・肛門と消化管全てに症状(潰瘍)がでることも珍しくはありません。
クローン病の原因はまだ良くわかっていません。 主な症状は「下痢・腹痛」です。出血はあまり認めません。最近はかなり効く薬や治療法もでてきています。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎とは、主に消化管に原因不明の炎症をおこし、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。
最近非常に増えている病気ですが、原因はまだ良くわかっていません。症状の特徴は「下血」です。 「炎症」ですから、肺炎や気管支炎と同じように薬での治療(内科的な治療)が基本です。
大腸憩室症
大腸粘膜の一部が腸管内圧の上昇により嚢状(のうじょう)になり腸壁の外に突出したものを大腸憩室といい、これが多発した状態を大腸憩室症といいます。
比較的高齢者に多い病気です。 自覚症状が無い場合が多く、ひどい場合は下痢、軟便、便秘、お腹のはり、腹痛などを引き起こします。
原因は最近の食生活の欧米化とともに、肉食が多く、食物繊維の摂取量が減少したため、便秘等になりやすくなり、結果腸管内圧の上昇を起こしやすくなったと考えられます。また、加齢による腸管壁の脆弱化も考えられます。 治療は薬物の投与が一般的です。
虚血性腸炎
大腸への血液の循環が悪くなって、必要な酸素や栄養分が供給されなくなるために、大腸粘膜への血のめぐりが悪く(虚血)なり、炎症や潰瘍を生じる疾患です。
症状は突然の腹痛や出血などです。 原因は、もともと血管に動脈硬化があるところに便秘などが重なって発症するといわれています。
高齢者に多いのですが、便秘のひどい若い女性にも発症することがあります。
その他発見される病気
大腸炎として、ウィルスや細菌、アメーバ赤痢などの寄生虫などによって起こるもの、放射線や薬によって引き起こされるもの、血流異常によって起こるもの、様々ですが、粘膜の一部を採取して精密検査するとわかります。
こんなときはぜひ大腸内視鏡検査を!
- よく便秘になる ここ最近便秘が続く
- 最近、下痢が多い
- 下痢と便秘をくり返す
- 便が細くなった気がする 太い便が出ない
- 時々、お腹が痛い
- よくお腹がはる感じがする
- 血便がある、便に血が付いている
- お尻を拭くと紙に血が付いてくる
- 便潜血検査で陽性が1回以上出た
- 健康診断で貧血と言われた
- 40歳以上になった
- 血縁者(3親等以内)に胃や大腸のがん患者がいる
検査に痛みはありますか?~よく頂くご質問~
当院では苦痛のない楽な検査を目指しております。
検査は経験数豊富な熟練の専門医が行い、可能なかぎり患者さんが苦しくないよう、スムースかつ短時間で挿入するよう日々努めております。
検査時間は10分程度の短時間で終わります。 また、検査の際は鎮静剤(ボーっとするお薬)を使用して、リラックスした状態でお受けいただくようにしております。
多くの方から、「楽だった」「不安なく受けれた」とご感想を頂いております。 安心して検査をお受けください。
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